忘れない

はるぴょんが死んだという知らせがあった。まるで他人の出来事のようで、いつひょいとメールでも出してきそうで、全然実感はないけれど、帰らぬ人となった。長い苦しみから解放されて、はるは月になった。


はると送った大学寮生活は私の自慢だ。人より絶対楽しい時間を過ごしたし、はるを楽しませたと思う。お互い地方から出てきて、同じ学校の同じ学科で同じ寮に住んだ。はるが上京して、寮に到着した日を覚えている。私は寮の事務室で先輩たちとおしゃべりをしていて、はるは満面の笑顔で挨拶してきた。寮に二つしかない二人部屋のくじをひいてしまい、「あ〜私っていっつもそうなんだよね〜〜!」ってニコニコとしていた。はるはキラキラ光る私の宝物だったし、寮のみんなにもそうだったと思う。

大学を卒業してから何回かしか会う事はなかった。しばらく途絶えた連絡がついてから、はるが色々な苦境にいることを知った。私は何もしてあげられず、もどかしいまま時間は過ぎ、はるはとうとう逝ってしまった。

周りをあれだけ幸せにしてきたはる自身が幸せになれなかったのは理不尽だ。かわいそうで、はかなすぎて、やりきれない。


だけど、取り乱した私を暖かく支える人たちが周りにいる。私ははるの思い出を大切に、大切に、抱きしめながら生きていく。