Inspiration

図書館でCから頼まれた一冊を探している時、洋書の書庫で不意に私を襲った「あ、今アメリカの歴史書が読みたい」感。他に読む物は山積みになってますよ、ええ。でもなんだか情報はいいんだけど構成も議論もいまいちな本を立て続けに読んでいたせいで、自分の博論のモデルみたいなの急激に欲するという発作。

そこで前からアルナブにオススメされていたHygienic Modernityという本を借りてきた。

Hygienic Modernity: Meanings of Health and Disease in Treaty-Port China (Asia: Local Studies/Global Themes)

Hygienic Modernity: Meanings of Health and Disease in Treaty-Port China (Asia: Local Studies/Global Themes)

中国の天津で「衛生」がどう語られ実践されたかを追いながら、近代性とか帝国主義とか東西とかの概念を丁寧に紐解いていく本。

美しい織物を紡ぐかのような計算された文章の重ね方。徹底して「読者中心」の構成。年代的な深みにも地理的な広がりにも文句ない徹底したリサーチ。学者じゃなくて歴史愛好家にもたまりませんがな。モデルにするにはいきなりハードル高すぎなんだけど、これをチョコレートをちびちびつまむかのように、自分の資料の合間に一章、お風呂の中で一章、寝る前に一章、って読んでる。

しかも中国史っていうのがね、丁度いいのよ。それ以外だと自分のリサーチに近すぎてリラックスできないか、知識が足りなくて想像しづらいとかになるから。基本的なことは知ってるけど、まだまだ知りたいことがいっぱい、という感じの距離感で。