それは意外なところにあった。。。

Cは探していた。アイルランドからアメリカに移民して13年間、それはCの頭の中から消えることはなかった。真剣に探しまわったけれども、この国のどこにも見つからない。諦めきれないとはいえ、積極的に探し求めるのをやめてから何年経つだろうか。

Cが探していたものは、故郷で食べていたパン。それはしっとりと柔らかく、味も舌触りも濃厚で、アメリカ人が日々口にするようなパサパサと味気ないものではない。ドイツ系、フランス系のパン屋はNYに並んでいるが、アイルランドのパンが特別なのだろうか。どこにもない。

先週末、Cは偶然それを見つけた。それは予期せぬところにあった。日本のコンビニ、JASマートで。日本人が「食パン」と呼ぶもの、もしくはイギリスパンと呼ぶもの、それこそがアイルランドで長く食べられてきたものだった。

なんちって。たまたま入り用でCを連れて寄ったところ、Cがパンの棚を凝視。「こ。こ。これは。。。」と言葉にならないようだったので、購入して家でサンドイッチを作った。一口目を口に入れるまで「まさか、そんなはずは」と信じきれないC。一口食べて、涙目で一言。「なんで今まで教えてくれなかったの?!」

まさかねー、そんな共通点があるとはね。日本のカレーもどうやらアイルランドで食べてるカレーと全く同じらしい。どう考えてもイギリス経由だけれど、「ムムム、こんなところに文化的共通点があるとは!」と興奮してるようだったのでほっておいた。